音は外耳から中耳、内耳を経て聴神経によって脳へ伝えられます。これらの経路のどこかに病気がある場合に起こる耳鳴りです。原因となる病気を治療することで治ることが多くあります。耳鳴りを訴える人の多くは難聴を伴っていることから、聴覚をつかさどる蝸牛(かぎゅう)に異常があるのではないかとも言われています。蝸牛の中の感覚細胞が故障して、振動がないのに信号を出し続ける状態と言われています。 それと老化による場合もありますが、病気が見当たらないにもかかわらず起こる原因不明の耳鳴りも多いです。
耳鳴の多くはその成因が明らかではありません。従って、いまだに耳鳴に対する特効治療はありません。いずれの医療施設でも、様々な治療を試してそれぞれの患者さんに最も適した治療をみつけていく、といった方法をとっているのが現状です。最も一般的な治療法はやはり内服薬ですが、その種類も様々です。その他注射による治療、薬剤を中耳に注入する、内耳に対する電気刺激療法などがあります。これらの治療法は耳鳴りを完全に消そうとするのではなく、症状をやわらげ、日常生活に支障がでないようにする治療法になります。現在では耳鳴りを完全に治療することは難しいのです。
では、耳鳴りに対して、どのように対処したらよいのでしょうか。まず耳をいじったりせずに、耳鼻咽喉科で診察を受け、まず専門医を訪ね、聴神経腫瘍といった生命に危険な耳鳴りでないことを判断してもらうことをお勧めします。心配のない耳鳴りであることが分かったなら、生活に支障がない場合は耳鳴りを受け入れて無視してもよいでしょう。原因が分かっている人で気にならないのなら、そのまま経過を見るだけで良いでしょう。しかし、原因のはっきりしない耳鳴りは、生命にとって危険な場合があります。


